オフィス仲介の案件はどこから来るか|人脈をフル活用する

この記事の要点

オフィス仲介の案件は、社長と直接つながっていなくても、これまでの人脈から回ってくることがあります。 私自身、前職時代に一度挨拶した程度の会社から連絡を受け、そこから専任媒介、さらに複数棟の募集を任されるまで広がった経験があります。 ただし、黙っていても声はかかりません。自分が不動産を始めたこと、賃貸ならジャンル問わず対応できることを、これまでの人脈に伝え続ける必要があります。

オフィス仲介を始めたばかりの方から、「案件はどこから取ればいいですか」と聞かれることがあります。

多くの方が、事業用の物件を扱うには、企業の社長や決裁権を持つ人と直接知り合っている必要がある、と考えています。

私は2015年から不動産仲介に携わり、オフィス専門の仲介会社で事務所・店舗の仲介を数多く経験してきました。 現在は独立し、これから賃貸仲介を始める方や、案件獲得に悩む方への伴走支援も行っています。 これまでの経歴は プロフィール にまとめています。

独立してから最初に大きく動いた案件も、社長と直接の知り合いだったわけではありません。 前職時代に一度挨拶した程度の、住宅系の賃貸仲介会社からの連絡がきっかけでした。

案件獲得には行動量が必要という話は 不動産開業で賃貸仲介を選ぶ4つの理由 でも触れましたが、この記事ではその中身、特に人脈をどう使うかを具体的に書きます。

この記事で紹介すること

  1. 前職のつながりから始まった70坪の事業用物件の相談
  2. 1件の契約が専任媒介、そして4棟のマンション募集につながった経緯
  3. 面識のない相手から声がかかった理由
  4. これまでの人脈をフル活用するためにできること

オフィス仲介の案件は「社長との直接のつながり」がなくても来る

事業用の物件を扱う仕事だと、企業の代表者や決裁権を持つ人と直接つながっていなければ相談は来ない、と考えている方は少なくありません。

実際には、事業用の空室に困っている貸主や、窓口を任されて動けなくなっている担当者は、あちこちにいます。

その困りごとが、直接の知り合いからではなく、一度名刺交換した程度の相手、前職のつながり、交流会で知り合った人、古くからの友人など、思っていたより遠い人づてに回ってくることがあります。

私が独立後に受けた最初の大きな相談も、そうした経路からのものでした。

実際にあった例|前職のつながりから始まった70坪の事業用物件

独立してしばらくした頃、前職時代に一度挨拶したことがある程度の、住宅系の賃貸仲介会社から連絡がありました。

「事業用賃貸仲介で困っている人がいるので、相談に乗ってほしい」という内容でした。

実際に会いに行くと、70坪ほどの事業用物件を管理していて窓口をしているものの、ずっと決まらずに困っている、手伝ってほしいという相談でした。

そこから私が動いたのは、まず周辺の相場資料を用意することです。 どのくらいの賃料であれば決まりやすいのか、近隣の募集事例を集めて根拠を持って説明できる状態にしました。

次に、貸主に一緒に会いに行きました。窓口の担当者だけで話を進めるのではなく、条件を決められる貸主本人と直接話す機会を作ることを意識しました。

相場とのずれを説明し、募集条件を変更したところ、そこから3ヶ月後には契約が決まりました。

1件の契約が、専任媒介、そして4棟のマンション募集につながった

1件の契約が次の仕事につながるという話は 不動産開業で賃貸仲介を選ぶ4つの理由 でも書きましたが、ここではこの案件で実際に起きたことを書きます。

この70坪の物件が決まったことで、その物件の専任媒介での窓口を任せられるようになりました。

さらに、同じ貸主が周辺で所有しているマンションについても相談を受けました。 募集条件を見直し、賃料を上げられる可能性があることを提示すると、所有している4棟すべてのマンションの募集を任せてもらえるようになりました。

最初の1件は、困っていた70坪の事業用物件だけでした。そこで結果を出したことが、専任媒介、そして複数棟の募集へと広がっていきました。

なぜ声がかかったのか|人脈は「発信」があってはじめて動く

今振り返っても、最初に紹介してくれた方とは、正直なところ面識と呼べるほどの関係ではありませんでした。

それでも声がかかったのは、前職時代からeightという名刺管理ツールの中で、自分の仕事についてずっと情報発信を続けていたからです。

「事業用に強い人」として覚えていてくれたようです。

人脈は、ただ名刺交換をしただけでは動きません。自分が何をしているか、何を扱えるかを、相手の記憶に残る形で発信し続けて、はじめて困ったときに思い出してもらえます。

独立後、案件獲得の相談を受けることがありますが、人脈がないと感じている方の多くは、実際には人脈がないのではなく、その人脈に何も伝えていない、というケースがほとんどです。

案件獲得のためにできること|これまでの人脈をフル活用する

事業用の案件は、必ずしも社長と直接つながっていなければ相談が来ない、というものではありません。

前職時代の同僚、交流会で知り合った人、シェアハウスに住んでいた頃の友人、外部のコミュニティで知り合った人など、案件は色んなところから来ます。

大事なのは、そのすべてに向けて、不動産の仕事を始めたこと、賃貸であればジャンル を問わず対応できることを、はっきり伝えることです。

ここまで書くと当たり前に聞こえるかもしれませんが、実際にこれをやらない方は多いです。

「知り合いに営業しているようで気が引ける」と感じる方もいますが、伝えることと売り込むことは別です。 今の仕事を知らせておくだけで、相手が困ったときに思い出してもらえる可能性が生まれます。

私が行っている 賃貸仲介の伴走支援 でも、案件獲得の相談を受けるときは、新しい営業先を探す前に、まず今ある人脈に何を伝えられているかを一緒に確認しています。

案件獲得についてよくある質問

案件獲得の方法は何ですか?

まずはこれまでの人脈をフル活用することです。特に「自分が不動産の仕事を始めたこと」「賃貸であればジャンルを問わず対応できること」を、身近な人脈にはっきり伝えることから始めてください。それでも足りなければ、交流会など新しい場に出て人脈そのものを広げていきます。

事業用の相談は、社長と直接知り合いでないと来ませんか?

直接の知り合いである必要はありません。事業用の空室に困っている貸主や、窓口を任されて動けなくなっている担当者は、思っていたより身近な人づてに情報が回ってくることがあります。

紹介してくれた人と面識がなくても、案件につながるのはなぜですか?

SNSや名刺管理ツールなどで、自分の仕事を発信し続けているかどうかが関係します。面識が薄くても、何をしている人かを覚えていてもらえれば、困ったときに思い出してもらえます。

紹介を受けた案件では、まず何をすればいいですか?

周辺の相場資料を用意し、状況を把握してから動くようにしています。窓口の担当者だけで話を進めず、条件を決められる貸主本人に会う機会を作ることも大切です。

人脈が少ない場合はどうすればいいですか?

今ある人脈が少なくても、まずはそこに漏れなく伝えることが先です。そのうえで、交流会や外部のコミュニティなど、新しい人とつながる場に出ていくことを併用してください。

オフィス仲介の案件は、人脈から回ってくる

事業用の案件は、社長と直接つながっていなくても、これまでの人脈から回ってくることがあります。 前職のつながり、交流会で知り合った人、古くからの友人など、経路は一つではありません。

ただし、黙っていて声がかかるわけではありません。自分が不動産の仕事を始めたこと、賃貸であればジャンルを問わず対応できることを、これまでの人脈に伝え続けてはじめて、困ったときに思い出してもらえます。

私はこの発信を、特別な営業活動としてではなく、今の仕事を知らせておくだけの、地道な積み重ねだと考えています。

人脈を活かせるかどうかは、開業でつまずくかどうかにも関わってきます。 賃貸仲介の開業でつまずきやすい4つの共通点|案件獲得と経験不足で失敗しないために でも触れています。

オフィス仲介の案件獲得で迷っている方へ

「人脈はあるはずなのに、案件につながらない」 「何を伝えればいいのか分からない」 という方は、現在の状況をお聞かせください。 初回のご相談は無料です。

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この記事を書いた人

オフィス・テナント仲介を専門とする宅地建物取引士(業界歴10年以上)。開業・参入・展開の伴走支援を行っています。

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